
防波堤でファミリーフィッシングを始めるとやっぱり大物を釣ってみたいと思うもの。大物が手軽に狙える海上釣堀の人気は根強いですね。釣りの初心者でもブリやタイ、シマアジなどの大物が狙える海上釣堀ってどんなところかご紹介します。
釣った魚は自分で料理して振る舞うをモットーに関西で休日を中心に釣りをしています。釣果と腕はともかく釣り歴は長いです₍^^;。
海上釣堀とは
海上釣堀とは、海上に設置された釣堀です。業者さんが、湾内などの穏やかな海上にイカダを浮かべてマスを作り、大きな網を入れて生ケスを作ります。マスの中に養殖魚が放流されて、釣り人は入場料(遊漁料)を払って釣りをします。
イカダは1辺が10メートル程度の正方形か長方形に組まれており、魚を入れるマスが四角形の内部に作られていますが、釣堀によってマスの大きさを変えています。水深は10メートル程度で中央が深くフチによるほど浅くなる釣鐘を逆さにしたような形に網が海中に宙づりになっていることが多く、釣堀によっては地底に網を立て仕切っているものもあります。
海上釣堀のある場所は海が荒れることの少ない湾内が向いているようで、放流される魚もほどんどが養殖魚なので魚を養殖している場所の近くに多いようです。太平洋、日本海など外洋に面した湾内にもありますが、関西圏に数多くあり、瀬戸内海に特に多いようです。船で渡って入場する海上釣堀、車で行ってすぐ入場できる海上釣堀がありますが、車で行ける釣堀が人気です。
海上釣堀は足場もよく安全に整備されており、トイレや売店なども完備しています。貸サオもあり、エサや仕掛けも購入できますから、釣堀の初心者でも釣りが楽しめるので、ファミリーや女性も安心して利用できます。
一つのマスを貸し切りにして仲間やファミリーでワイワイと楽しみながら魚釣りができることや、防波堤などからは釣れない大きな魚が釣れることなども人気の要因の一つでしょう。テレビの釣り番組などでも紹介されて人気が出て一時はたくさん開設されましたが、現在は閉まっているところもありますので、出かけるときには問い合わせをしましょう。
海上釣堀のシステム
海上釣堀の釣り場はイカダの上です。イカダの数、大きさによって釣りができる人数が限られます。ですから、海上釣堀は定員数が決まっています。気候が良く魚の活性の高いシーズンは定員いっぱいで入場を断られることもありますので、事前に日時、人数を予約します。
家族や、友人たちと一緒に団体で行く場合は一つのイカダが貸し切りですから、グループ内で釣り座は変更できます。しかし、個人の場合は受け付け順か抽選で釣場がきまり、一定時間内は釣場を変えられない釣堀もありますから、釣り座選びにも情報が必要です。係員にどのあたりの釣果が良いか聞き取りするとよいでしょう。
海上釣堀では、複数のサオを持って入っても良いですが、一度に使えるサオは1本と決まっています。釣り方は、浮き釣り、探り釣りが可能ですが、サビキ仕掛けのように複数の針がついた仕掛けやルアーなどの疑似餌は使用禁止です。
釣り用のエサは売店でも購入できますし、エサは何を使用しても良いとされていますが、まきえをすることは禁止されています。ブリなどフィッシュイーター用のエサとして使う活きアジは売店で売られていますが、活きエビはないことがあります。どんなエサを売っているか事前に問い合わせすることをお勧めします。
一般的に釣った魚はすべて追加料金はなしで持って帰れるようになっていますが、コース設定などで数量制限、魚種制限が設定されていることもあります。釣った魚は、釣り終了時に施設の人が釣果をカウントして、絞めてくれます。うろこ取りや内臓取り、3枚おろしは依頼すれば処理してもらえますが有料です。クーラーで持ち帰るための氷も販売しています。
海上釣堀で釣れる魚
海上釣堀の釣りのターゲットは、釣開始となる前日までに放流されている魚と釣りの当日放流される魚です。海上釣堀の事務室では、毎日各マスに放流した魚の種類と数、釣り上げられた魚の種類と数を管理しており、マスの中の魚の種類と数を把握しています。そして、当日の釣堀の客数に合わせて放流する魚の種類、数を決めています。
海上釣堀で釣れる魚種の定番は、タイとブリ(ハマチからメジロサイズが多い)です。加えて、海上釣堀の特色を出すために目玉になる魚種を、時期を定めて放流することがあります。高級魚のカンパチ、シマアジは多くの釣堀で放流されます。
海上釣堀の個別の特色を出すために放流される魚は、季節や場所によって異なります。イサギ、メジナ(グレ)、ヒラメ、サクラマス(ニジマス)、黒ソイなども放流され、石ダイ、スズキ、ヒラマサ、中にはマグロ、トラフグ、ハタ(クエ)などを放流しお客さんにアピールする釣堀もあります。どんな魚が放流されているかは出かける前に問い合わせましょう。
海上釣堀で釣り人に人気が高いのは1メートル近いブリ(メジロ)などの青物といわれる魚で、豪快な釣り味が手軽に楽しめると人気です。シマアジも高級魚といわれますし、タイも50センチメートルを超える大きなものも釣れますので根強い人気があります。
魚が適応できる水温に差がありますから海上釣堀では季節によって放流する魚種を変え、釣り人を楽しませてくれています。大きな海上釣堀では、マスによって放流する魚種を変えたり、数を変えたりしてコース設定しています。
マスに放流される魚はタイが一番多く、1日に2回放流する釣堀が一般的です。ブリやシマアジなどは1日に1回の放流で、あわせて目玉の魚種を放流しています。
海上釣堀での1日の過ごし方
大物を釣ってみたくなって、近くに海上釣堀が見つかれば一度出かけてみましょう。予約から実際の釣行まで順を追って簡単に説明します。
釣堀の予約
釣行日が決まればまず予約を入れます。人気の高い海上釣堀には問い合わせて予約を取りましょう。釣行日と人数は決めておきます。予約が取れたら以下のことは必ず問い合わせておきます。
- 開場時間、終了時間
- 釣り座の決め方
- 持ち物(サオ、仕掛け)の注意事項
- 放流魚種
- 売店にあるエサの種類
- 料金
- 貸ザオの有無
家族や団体での釣行の場合は男女で料金が異なることや子供料金の設定もありますので問い合わせておきましょう。もし、釣ザオをレンタルするなら、予約時に伝えておきます。
釣行日までの準備
海上釣堀での釣りは、基本的に浮き釣りです。探り釣り(脈釣り)をする人もありますが、最初は浮き釣りが簡単です。
タックルは4メートルまでの3号以上の磯ザオに、5号以上の道糸を50メートルから70メートル巻いた3000番以上のスピニングリールをつけます。手持ちのサビキザオやルアーロッドでも使えるとは思いますが、無理であれば貸ザオを借りられます。
浮子とオモリと仕掛けは、海上釣堀用としてセットになったものを釣り道具屋で売っています。仕掛けは予備が必要なのでハリス付きのものを買っておきます。
初めての海上釣堀であれば無理して道具をそろえないで、道具一式を借りれば悩まないで済みます。続けて海上釣堀に行こうと思ったときに道具をそろえればよいのです。
エサは、海上釣堀でも買えますが、種類がそろっていないことがあります。海上釣堀での釣りでは、魚がエサを見切るようになりますから、エサのローテーションが必要です。練りエサ(団子エサ)を2種類、キビナゴ、イワシ、エビなどの冷凍生エサ、色づけしたササミなどの海上釣堀に独特のエサ、活きエサ(アジ、エビ)などから2、3種類は持っていきたいものです。海上釣堀で手に入らないようであれば事前に買っておきましょう。
釣行当日入場から釣開始まで
集合時刻、釣開始時刻は時期、釣り堀によってまちまちです。当日集合時間に海上釣堀の受付で料金を支払い、氏名を登録します。乗るイカダと釣り座が決まり、後は係員の指示に従い入場を待ちます。待ち時間に、活きエサのアジや練りエサなどを買っておきます。
時間になると釣り場へ移動します。渡船でイカダに渡る海上釣堀もあります。指示された釣り座に荷物を置いて釣りの準備です。持って行った荷物以外に、スカリとよぶ釣った魚を海中で生かしておく網かごとタモが貸し出されます。
身の回りに道具をセットしたら、サオと仕掛けを準備します。海上釣堀の釣りでは棚をあわせるのが重要なポイントです。適切な棚を係員に尋ねて、浮き下の長さを調整します。エサをつけて釣り開始の合図を待ちます。
釣り開始から終了まで
釣りができる時間は平均5時間程度です。間で2,3回魚の放流があります。最初はタイ、次に青物とその他が放流され、最後にもう一度タイが放流される順が一般的です。
放流直後に魚の活性が上がることが多く、放流に合わせて仕掛け・エサ・棚を変えてターゲットを変更します。最初は底付近のタイを練り餌で狙い、青物の放流に合わせて活きアジを泳がせてフィッシュイータを狙い、終盤は冷凍エサなどでタイやその他の魚を狙うといった具合です。
釣れた魚は、タモですくい取り、スカリに入れて生かしておきます。
釣り終了の合図があったら道具を片付けましょう。
スカリを海中から上げて、計量です。自分で計量場所まで運ぶ場合と、スカリに番号をつけ、係員が運んでくれる場合があります。スカリから出した魚を絞めて大きなトレイに入れたものを受け取り、クーラーに移します。3枚おろしを依頼したり、氷を購入するのもこのタイミングです。
後は、釣った魚を持ち帰って、おいしく料理するだけです。
海上釣堀に出かけて大物釣りに挑戦しよう
海上釣堀では初心者でも、大ダイ・ブリをはじめとした大物や高級魚を釣れます。天候や水温、釣り座の場所やエサなどで釣果に差がでるのも海上釣堀の釣りです。コンスタントに釣果を上げるためには、さまざまな工夫が必要なゲーム性の高い釣りなのです。
一度、海上釣堀での釣りを経験すると、ファンになる人が多いのも理解できますよ。ぜひ、海上釣堀での釣りに挑戦してみてください。
釣った魚は自分で料理して振る舞うをモットーに関西で休日を中心に釣りをしています。釣果と腕はともかく釣り歴は長いです₍^^;。
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