
カレイという魚は赤ちゃんの離乳食にも使われたりして栄養価も高く非常においしい魚です。釣りの対象魚としても人気がある魚で、水温が下がり始める時期に陸から釣れるようになります。そんなカレイについて、種類や生態をご紹介します。
釣った魚は自分で料理して振る舞うをモットーに関西で休日を中心に釣りをしています。釣果と腕はともかく釣り歴は長いです₍^^;。
カレイの種類とは
カレイは、知らないという人はいないくらい私たちになじみのある魚ですが、カレイの種類となると、あまり知られていないようです。カレイは世界に目を向けると100種類以上いるといわれ、そのうち日本周辺では40種類ほどいるといわれます。
カレイはその種類の大半が低水温域を好む魚なので、内湾より外洋、南寄りより北になるほど釣れる種類も多くなります。浅場より深場に住む魚なので、岸からカレイを狙う釣り方は投げ釣りが主流となっています。釣りの対象としてのカレイは10種類程度のようですが、釣りをする地域によって釣れるカレイの種類は限られます。
陸から釣れるカレイの種類
瀬戸内では釣れる種類は限られますし、流通する種類も限られています。カレイは白身でおいしい魚でほとんどの種類のカレイが食用とされますから、北洋諸国から輸入されたカレイも店頭に並びます。釣り人が釣ることのできる代表的なカレイをご紹介します。
マコガレイ
投げ釣りで釣れるカレイの中で一番おいしいカレイといわれます。外洋では少なく瀬戸内海ではよく釣れるカレイです。ブランドカレイとして有名な大分の城下カレイは、別府湾で獲られるマコガレイです。マコガレイもカレイの種類に共通である習性から、早いところでは10月中旬から産卵のために接岸し始め、釣り人の竿を曲げ始めます。水温の関係から北に行くほどマコガレイの接岸は遅くなります。
- 呼称:マコ、ムシ、クチボソ
- 旬:春から初夏
- 生息域:大分県から北海道南部の水深10メートルから50メートルの砂泥底
- 産卵期:12月から3月
- 体長:1年10センチメートル、2年20センチメートル、3年23センチメートルで最大50センチメートル
- 特徴:両目の間にウロコがあり、胸ビレの上の側線の湾曲がマガレイと比べて緩やか
マガレイ
マガレイとマコガレイは非常によく似ており、釣り人にも見分けにくい魚です。両種が釣れる場所もありますが、産卵期もずれていて両種が同時に釣れることはまずないので並べて比較することは難しいのです。どちらもおいしい魚なので見分けられなくても問題はありませんね。
- 呼称:アカガシラ
- 旬:冬
- 生息域:本州中部以北の水深100メートルまでの砂泥底
- 産卵期:3月から6月
- 体長:2年18センチメートル、3年21センチメートル、4年22センチメートルで最大40センチメートル
- 特徴:目が突出し、目の間にウロコがなく、胸ビレの上の側線の湾曲がマコガレイと比べて強い
イシガレイ
イシガレイは、マコガレイと同じく日本全国に分布しており、よく釣れるカレイの種類です。瀬戸内・日本海・太平洋側から北の海まで生息が確認されています。カレイ釣りの好きな釣り人は、まずはマコガレイを狙い釣行し、産卵時期に合わせて冬になるとイシガレイを狙って釣行します。
- 呼称:イシモチ
- 旬:初夏
- 生息域:日本各地の沿岸から千島列島の水深100メートルまでの砂泥底
- 産卵期:12月から2月
- 体長:2年23センチメートル、3年40センチメートル、4年46センチメートルで最大50センチメートル
- 特徴:目のある側の背と腹側に骨のような石がならび、ウロコはなく体表が粘液で覆われている
メイタガレイ
メイタガレイも全国的に生息していますが、数は少ないようです。岸からの投げ釣りでも釣れますが、個体数が少ないのと、ここで紹介しているカレイの種類では比較的深場に生息していますので、陸からの釣りで釣れることはマレです。船釣りのキス釣り、イシモチ釣りでうれしいおいしい外道として釣れることがあります。
- 呼称:
- 旬:冬
- 生息域:北海道南部以南の水深100メートルまでの砂泥底または砂底
- 産卵期:11月から2月
- 体長:1年10センチメートル、2年17センチメートル、4年24センチメートルで最大30センチメートル
- 特徴:目の間に骨性の突起がある。体の形が丸みを帯びたひし形
ここまでご紹介したカレイは筆者も実際に釣って料理したことがあります。近畿地方でも日本海側ではホシガレイやムシガレイなどのひれに黒い模様のあるカレイも釣れるようです。さらに北に行くと釣れるカレイの種類も多くなるようですが、名前を聞いたことがあるだけで実物を見たこともありませんので詳細は他の方にお願いすることにします。
魚屋さんやスーパーの魚売り場で売られているカレイのうち切り身で売られているものは、日本の北側で水揚げされるアサバカレイやシュムシュカレイ、スナガレイなどの種類や、冷凍輸入されているものも多いようです。輸入されるカレイはカラスガレイやオヒョウなどの大型のものやシュムシュカレイなど北洋で獲られるものが冷凍されてはいります。
カレイの種類は「左ヒラメに右カレイ」といわれるように、体の右側に目が寄るといわれていますが、カレイの仲間で体の左側に目が寄ったカレイがいます。写真でしか見たことはありませんが、このカレイだけは紹介しておきます。
カレイの種類は「左ヒラメに右カレイ」といわれるように、体の右側に目が寄るといわれていますが、カレイの仲間で体の左側に目が寄ったカレイがいます。写真でしか見たことはありませんが、このカレイだけはご紹介しておきます。
ヌマガレイ
ヌマガレイは汽水域から淡水域にかけて生息していて北海道では産卵期に川から海に下るそうです。アメリカの同種の目は体の右側にあるそうですが、日本で生息が確認されているヌマガレイは、カレイの種類の中で目が体の左側にあることが知られています。食味は、カレイとしては大味で臭みもあり人気はありません。
- 呼称:カワガレイ
- 生息域:福井県以北の浅い海から汽水域の砂泥底
- 産卵期:1月から5月
- 体長:1年11センチメートル、3年31センチメートル、6年49センチメートルで最大1メートル
- 特徴:日本のヌマガレイは目が体の左側にあり、背びれ、尻びれ尾ビレに太く黒い帯がある
釣りに生かすカレイの習性
カレイやヒラメは孵化(ふか)した稚魚は他の魚と同じように体の両側に目がついており、水中を泳いでいて海底に降りてから目が片側に寄っていきます。それに伴い目のついている方は、海底の色と同化し保護色になりますが片面は真っ白い体色のままです。ヒラメも同じですが養殖されたヒラメは裏面にもまだらに保護色がついています。
カレイの食性
カレイの種類はゴカイなどの多毛類、小エビなどの甲殻類を主に食べ、種類によっては2枚貝や小型の軟体動物なども食べます。釣りエサには青イソメ、ホンムシなどの多毛類を使うのが一般的です。
カレイの運動量
カレイがエサを求めて動くのは1日に2回ぐらいといわれ、そのタイミングに合うとバタバタと釣れます。地合い以外は砂に潜って目を出してエサを待っていて、目の前に来たエサをくわえても反転して移動することはないようです。カレイは、移動せず居食いしており仕掛けを回収しようとしたら釣れていたということの多い魚です。
アタリがあるまでそのままずっと待っているのではなく、時間をおいて仕掛けを回収してエサを点検し、投げ込む場所を変えることも必要です。
カレイは好奇心旺盛
カレイは地合い以外はあまり動き回りませんが、好奇心が旺盛な魚で、近くで砂煙などが上がると血数いてくるそうです。この習性を利用した釣り方が船からのカレイ釣りで、カレイがいそうな砂泥底をオモリでトントンと砂煙を上げて誘います。
投げ釣りの場合も仕掛けで底を引きずり砂煙を上げるように誘いを入れることが有効とされています。
カレイは産卵時期に接岸する
カレイのすべての種類ではありませんが、カレイは産卵のために水深の浅い沿岸地域に寄ってきます。そのため、投げ竿で遠投しなくても、防波堤や護岸からチョイ投げや竿下でもマコガレイが釣れるような水深10メートル以下のポイントが、身近にたくさんあります。瀬戸内海では10月末くらいからマコガレイの接岸がはじまります。
カレイの種類・習性を知ってカレイを釣りに行こう
私たちが身近で釣ることのできるカレイの種類と、習性をご紹介しました。普段、釣りを楽しんでいる場所の近くでもカレイが釣れるかもしれません。自分で釣ったカレイなら、活きも良くお刺身で食べる事もできます。ぜひ、カレイ釣りに挑戦してカレイを食べてくださいね。
釣った魚は自分で料理して振る舞うをモットーに関西で休日を中心に釣りをしています。釣果と腕はともかく釣り歴は長いです₍^^;。
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