
釣り人にはおなじみで人気の高いカサゴ。青森ではアカゾイ、関西ではガシラ、中国・四国地方ではホゴ、岡山ではアカメバル、九州アラカブと呼ばれるカサゴです。身近でおいしく、簡単に釣れるカサゴ、どんな魚かご紹介します。
釣った魚は自分で料理して振る舞うをモットーに関西で休日を中心に釣りをしています。釣果と腕はともかく釣り歴は長いです₍^^;。
カサゴはこんな魚
カサゴ目フサカサゴ科カサゴ属の魚です。関西でのガシラという呼び名がだんだんと広がっているようにもおもえます。関西のガシラという呼び名は、頭でっかちの魚だからかしら(頭)がなまってガシラになったといわれます。なんとなく納得できる呼び名ですね。
体長は40センチメートルくらいまになるといわれますが、なかなか大物にはお目にかかれません。カサゴの体色は茶褐色のものや赤い色のものまでさまざまです。これは住んでいる場所や水深によって変化しているようです。浅いところにいるカサゴは黒っぽく、深いところにいるカサゴが赤っぽいのが一般的です。
カサゴの体には黒みがかった褐色の斑点と白っぽい斑点が不規則に散らばっているのが特徴です。専門的には、胸ビレの上半分が体に浅く弓なりに食い込んでいること、胸ビレのつけ根の中央が黒っぽいこと、ほほの部分にはトゲがないことが特徴とされます。
カサゴの生態
カサゴは、北海道南部から南の日本各地の沿岸部の岩礁域に生息して、小魚類や、エビ、カニ類、ゴカイなどを捕食しています。成魚は10月から11月に浅場に移り、交尾後、4ミリメートル前後の小魚が12月から2月に生みます。メスのおなかの中で受精卵が孵化(ふか)する卵胎生の魚です。2年で15~16センチメートルになり成魚になります。
漁として刺し網、はえ縄、1本釣りで獲られますが、釣りでも人気のあるターゲットです。カサゴの旬は冬とされていますが、1年を通して捕獲されています。特に1~5月頃までは脂がのっておいしいといわれます。
食べておいしいカサゴですから、船での浅場釣りや、磯、防波堤からの釣りなど、手軽な釣りの対象魚として人気があります。最近ではルアー釣りでロックフィッシュとしての対象魚にもなっています。
釣りに関係するカサゴの生態
夏の間、潮通しの良い沖目の岩礁帯にいたカサゴは、産卵に備え沿岸部の岩礁帯や障害物(ストラクチャー)の影のへと移動します。そうした沿岸部で規模が大きい障害物は防波堤や消波ブロックなどがある漁港などの港周りです。産卵に備えて移動してきたカサゴは、大きな回遊はせず、冬から春にかけて居着くため、この時期は沿岸部でも大きなカサゴが狙えます。
カサゴは夜行性で昼は物陰に潜んでいる
カサゴは夜行性のため日中は住処とする岩やコンクリートのすき間に潜み、目の前に来たエサだけを捕食しています。夜になると隠れ家から出て活発にエサを獲ります。カサゴを狙うなら橋脚周りの捨て石、荒い石積み、テトラ周り、堤防のすき間、岸壁のコーナー、沈み根、沈船周りなどです。日中はピンポイント(目標から30センチメートル以内)狙いとなり、夜間でもポイントとなるものの周りを探ります。
大きなカサゴが釣れた場所は覚えておきましょう。その場所はカサゴが潜みやすい場所ですから、前住者がいなくなったら次の魚が入ってきます。産卵期にはつがいでいることが多いので抱卵したメスが釣れたら近くにオスがいることが多いですよ。
抱卵しているガシラはリリース
カサゴは卵胎生でおなかの中で卵は孵化し4ミリメートル程度の小魚を生むことはご紹介しました。釣れたカサゴがメスで卵をもっているようであればできればリリースしましょう。特に、腹から緑色の卵がのぞいているような個体は、すでに受精卵となっており、孵化まで間近です。優しくリリースをお願いします。
カサゴの仲間
カサゴの仲間は、たくさん種類があり、見分けがつきにくいです。私たちが釣りでお目にかかるのはほとんどカサゴですが、船などで沖合で釣りをするとウッカリカサゴ、アヤメカサゴ、ユメカサゴが釣れることがあります。オニカサゴは背びれに毒がありますが、カサゴには毒がありません。ただ、カサゴ類は背びれが鋭く、頭にトゲがある種類が多いので、手でつかむときには注意が必要です。
カサゴの仲間は、どの種類も食べておいしい魚で、獲れたら食用にされています。カサゴと特によく似ている種類を2種類ご紹介しておきます。
ウッカリカサゴ
カサゴとよく似ているので分類の折に学者先生がうっかり名前をつけ忘れていて、最後にこの名前がついたとか。ウソのような本当の話です。カサゴの種類はよく似ており、特にカサゴ、ウッカリカサゴ、アヤメカサゴは見分けにくいといわれます。1978年に新種として登録されたようで、昔の図鑑には載っていません。私たち釣り人にすればフサカサゴ科カサゴ属に属するウッカリカサゴとアヤメカサゴは全部カサゴでいいのですけどね。
体色が赤より朱色で、明暗のムラに薄いオレンジ色の斑点があります。生息域がカサゴより沖合の深い岩場で船釣りで釣られます。南九州で「アラカブ」として売られているのはほとんどがウッカリカサゴだそうです。カサゴより大型になり60センチメートルにもなるそうです。ウッカリカサゴの方が良く引くので、釣り味は良いといわれます。
アヤメカサゴ
アヤメカサゴもカサゴとよく似ている魚です。カサゴより沖合に住んでいます。各ヒレは鮮やかな明るいオレンジ色で黄色がかっておりカサゴ類で一番派手といわれます。背びれに沿っての白みが買った斑紋があるのと、体側のしま模様があることで見分けます。体長は50センチメートルくらいまでで、カサゴよりは大型で丸みが買っています。
ウッカリカサゴもアヤメカサゴも50メートルから150メートルという深場にいますので、船釣り以外ではあまり釣れることはありません。その他にもユメカサゴ、オニカサゴ、フサカサゴなどたくさん種類がいますが、私たちが専門的に狙う釣りでなければなかなか出会えません。
カサゴという魚を知って釣りに出かけよう
私たちの身近にいて、釣りのターゲットとなるカサゴについてご紹介しました。カサゴの生態を知れば知るほど、釣りに生かせます。穴釣り、探り釣り、ブッコミ釣りや、最近人気のロックフィッシングのターゲットとして狙ってみてください。そしておいしく料理をして食べてあげましょう。
釣った魚は自分で料理して振る舞うをモットーに関西で休日を中心に釣りをしています。釣果と腕はともかく釣り歴は長いです₍^^;。
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