コロナウイルスで自宅待機、今までたまったうっぷんを海釣りで発散!大いに楽しみましょう!
しかし、楽しかった釣りの後、道具のメンテナンスはしましたか?釣りの最中は、ロッドを地面に置いたり、はたまた海水をかぶったり、釣れた魚を触った手でリールを握ったりと、意外に汚れがついてしまうのです。
夏の強い日差しに半日いれば、強い紫外線もくせもの。うっかり落とした際についた傷・・。
道具のメンテナンスを覚えて、次のフィッシングに備えましょう!
イタリア・ローマ在住。文化財修復士として仕事をするかたわら、趣味である釣りとマウンテンハイクを極める。将来の夢は世界中で釣りをして歩き、自然の中で暮らすこと。
海釣りの後は道具をしっかりメンテナンス
引用: Pratik Bisht
天敵は塩分、紫外線、そして傷
一番の天敵は海水に含まれる塩分です。ベタベタする上に、金属部分を腐食させてしまいます。
特に低価格の道具は、ステンレス製の部品でないこともあり、ガイド(ロッドの糸を通す穴)やルアーのフックなどは特に注意が必要です。
紫外線は樹脂コーティングや部品の接合部にある接着剤を劣化させるもとです。特に真夏の炎天下では触ることができないほど、ロッドが加熱することもあり、やけどしたも同然です。
そして、うっかりつけてしまった傷には海水が付着すれば、そこから劣化が始まります。予防策として、道具やルアーを使用済みと未使用のものに分けて持ち帰ることも大切です。海水に使ったルアーを、他の使用していないルアーと一緒に入れては、すべてを汚してしまうことになります。
できれば、なんでもいいので空のケースを用意しておき、使用したルアーを分けて持ち帰りましょう。
まずは塩分を抜く、必要であればコーティング
やるべきメンテナンスは主に次の3つ。
- ルアーの水洗い
- ロッドの水洗い、コーティング
- リールの水洗い
ルアーの水洗い
ルアーは入っているケースごと水で流し洗いしてください。常温で十分ですが、冬などはぬるま湯を使うと効果的です。
引用: 釣りあそびジャーナル
あとは、水を切って、自然乾燥させればOKです。もし汚れが残るようであれば、風呂掃除用の中性洗剤を使って洗うとよいでしょう。ルアーの金具類には塩分がたまりやすいので、柔らかめの歯ブラシで軽く掃除するのも効果的です。
ロッドの水洗い、コーティング
ロッドも同様に水で流し洗いします。この時に、ガイドやリールの取り付け部などは、柔らかい歯ブラシなどで入念に掃除しましょう。ロッドは一番汚れやすいため、スポンジなどを使って丁寧に洗いましょう。
引用: 釣りあそびジャーナル
できれば、ロッドのコーティングを維持するために、保護スプレーをかけて磨くのが理想です。撥水加工や、汚れの防止ができ、いろいろなタイプのスプレーが売っていますので、試してみましょう。
スプレー以外にも、ウェットシートタイプも売っています。個人的には、このダイワ・ロッドガードを使っていますので、参考にしてください。
コーティングスプレーを使うと、表面がすべすべになって違いが歴然とします。
リールの水洗い
さて、リールのメンテナンスもシンプルです。主に、
- 水を使って塩抜き
- ギアなどの潤滑
- コーティング
です。
1.塩抜き
まずは、塩抜きですが、これは水を流しながら、直接リール全体を濡らす人もいれば、ドラグ(リールの上についている取っ手)を緩めてスプール(糸巻)だけを真水にひたす人もいます。
流水にリール全体を浸す場合は、最初にドラグをしっかり閉めて、内部に水が入らないようにしましょう。
引用: tsurihack
スプールだけを水に浸す場合は、できればぬるま湯で30分くらい浸けおきしましょう。
また、水洗い後は、どちらの場合も、スプールを取って乾燥させましょう。
2.ギアなどの潤滑
さて、ここで重要なポイントをチェックしましょう。
リールにはベアリングやギアなど、金属部が潤滑油でコーティングされることにより、スムーズに動くようになっています。多くの人がやってしまうミスに、有機溶剤入りの潤滑油を使用して、釣り具を傷めてしまうことがよくあります。
潤滑油には、KURE社の有名な製品5-56に代表される有機溶剤入り潤滑油がありますが、有機溶剤でサビや油分を溶かす性質がある一方、プラスチック製品に付着すると変質させてしまうといった性質もあります。
そのため、リール専用のメンテナンススプレーを使いましょう。
私は、何年か前から、シマノ社のグリス、オイルのスプレーセットを使用しています。
写真のように、リール内部の中央にあるシャフトや、ハンドルの反対側にあるキャップを開けて、中に見えるベアリングにオイルまたはグリスを注油すればOKです。
引用: tsurihack
オイルとグリスはどう違うの?と思った方、するどい!
どちらも潤滑作用がありますが、グリスのほうが防錆機能が少し上です。その反面、動作が若干重くなることもあります。使い分けは以下の図を参考にしてください。
引用: Amazon
3.コーティング
さて、リールも傷や塩分から保護するために、コーティングしたほうがよいでしょう。
ここまでくると、メンテナンスの多さにうんざりしてる人もいるかもしれませんが、もう少し頑張りましょう。リールのコーティング剤は釣具屋さんにいけば売っています。
しかし、釣り具用のものは値段が高めなのもたしかですよね。そこで、おすすめは車用品のコーティング剤を応用することです。一例として、耐久性のあるガラス系コーティングの製品をリンクにのせておきます。
私も過去に一本買って、リールだけでなく、ロッドにも使っていました。すべすべになり、効果には満足でした。最初は、念のため、目立たない箇所で少量を塗布してテストしてから全体にスプレーしましょう。
面倒だけれども、サボると・・・
さぁ、どうでしたか?面倒ですよね・・。その気持ちはよくわかります。
でも、一度サボるとそのあとは二度としません!そうすれば、塩分が金属部分を腐食して、リールを回していると、ゴロゴロした感覚が伝わってくる・・。気づいたときには、中のギアも摩耗していて、修理するより新しいのを買ったほうが安い、なんてことに。
やっぱり捨てるのはつらいことです。
道具への愛は上達への第一歩
メンテナンスができるようになると、道具への愛着がとても上がります!
釣りをしている時にも、取り扱いに注意するようになりますし、道具をよく知ることで、リールのハンドルが思い、糸の巻取りが遅くなったなど、微妙な不具合にも気づけるようになります。どんなに安い製品でも大切に使えば、驚くほど長く使えます。
さぁ、次回の大物に備え、まずは道具を完璧にととのえてみませんか?
イタリア・ローマ在住。文化財修復士として仕事をするかたわら、趣味である釣りとマウンテンハイクを極める。将来の夢は世界中で釣りをして歩き、自然の中で暮らすこと。
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