魚の寄生虫について、その種類や症状、調理する際の対策方法などを詳しくご紹介します。せっかく釣った魚は、安心して美味しく食べたいものです。是非、参考にしてください。寄生虫をきちんと知れば決して怖いものではありません。
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寄生虫ってなに?
寄生虫とは、人や動物、魚などの表面や内部にとりついて(寄生して)食物や栄養を摂取する生き物をまとめて呼ぶ名前です。一般的には悪い心象ですが、昔から人間の回りには存在していた生き物で、寄生して生活しているので、寄生している宿主に害を与える物は少ないとされています。
寄生虫の種類
この寄生虫ですが、みなさんは、どのくらいの種類が存在していると思いますか?いろいろな分け方によっても違ってきますが、世界では約200種類、日本でも約100種いると言われています。実は、魚などに寄生しているアニサキスのようなものだけでなく、ダニなども寄生虫の仲間とされています。
寄生虫1:アニサキス
色は半透明の白色で、大きさは体長2㎝から3㎝です。渦巻き状なっていることが多く、透明な袋状の物に入っていることもあります。魚の内臓や筋肉に寄生していることが多いです。
症状
通常は体に入っても排泄されますが、まれに、胃や腸から侵入することがあります。寄生されると、8時間以内に腹痛・吐き気・嘔吐(おうと)の症状がでます。
対策
- 加熱調理:60℃で1分、70℃以上ですぐに処理。
- 冷凍処理:マイナス20℃以下で24時間。
- その他:肉眼でも確認できるので、ピンセットなどで取り除く。
代表的な魚
サバ・サケ・ニシン・スルメイカ・イワシ・サンマ・ホッケなど
寄生虫2:シュードテラノーバ
色は茶褐色で、大きさは体長アニサキスより少し多きいです。渦巻き状にならないので、この部分でもアニサキスとの判別ができま。魚の内臓や筋肉に寄生していることが多いです。
症状
通常は体に入っても排泄されますが、まれに、胃や腸から侵入することがあります。寄生されると、2時間から10時間ほどで腹痛・吐き気・嘔吐(おうと)の症状がでます。
対策
- 加熱調理:60℃で1分、70℃以上ですぐに処理。
- 冷凍処理:マイナス20℃以下で24時間。
- その他:肉眼でも確認できるので、ピンセットなどで取り除く。
代表的な魚
アンコウ・タラ・オヒョウ・イカ・ホッケなど
寄生虫3:日本海裂頭条虫(サナダムシ)
色は成虫は淡いベージュ色で、幼虫は白色です。幼虫の大きさは体長2㎝から3㎝です。成虫の大きさはなんと5から10mにもなります。魚のヒレの側の筋肉に幼虫は寄生していることが多いです。ちなみに別名サナダムシと呼ばれています。こちらの方が有名ですね。
症状
症状は体内に入ってから2から3週間後なのと軽症のため分かりずらい。寄生して成虫になると、下痢などの消化器系での症状がでます。症状は軽度ですが、このような大きな成虫が体に入っているだけで嫌ですよね。
対策
- 加熱調理:60℃で1分以上。
- 冷凍処理:マイナス20℃以下で24時間。
代表的な魚
サケ・マスなど
寄生虫4:施尾線虫
色は茶褐色で、大きさは体長5mmから10mmです。体がとても細いので肉眼で確認することは難しいでしょう。ホタルイカの腸などに寄生していることが多いです。
症状
体内に入ってから数時間から2日程度で腸閉塞などの重い症状がでます。ホタルイカの生食でも感染が大半なので、冷凍処理されていないホタルイカの生食は避けましょう。
対策
- 加熱調理:沸騰水で30秒、60℃以上で加熱。
- 冷凍処理:マイナス30℃以下で4日、マイナス40℃で40分以上。
代表的な魚
ホタルイカ・スケソウダラ・ハタハタ・スルメイカなど
寄生虫5:クドア
正式にはクドア・セプテンクタータと言い、大きさは体長10㎛(マイクロメートル)とても小さいです。主にヒラメなどの筋肉などに寄生していることが多いです。
症状
食後、数時間で症状がでます。下痢や嘔吐の症状がでますが、軽症で回復も早いので、食中毒と気が付かないことも多いようです。
対策
- 加熱調理:75℃で5分、70℃以上ですぐに処理。
- 冷凍処理:マイナス20℃以下で24時間、マイナス75℃で5分。
代表的な魚
ヒラメ・サバ・マグロなど
寄生虫6:大複殖門条虫
色は白色で、大きさは体長アニサキスより少し多きいです。形状はサナダムシに似ています。まだ、不明な点が多い寄生虫の一種です。クジラ複殖門条虫とも呼ばれています。
症状
体内に入ると小腸上部に寄生し、下痢や便秘、嘔吐の症状がでます。ですが、どれも軽症です。
対策
- 加熱調理:60℃で1分以上。
- 冷凍処理:マイナス20℃以下で24時間。
(不明な点が多い・十分な加熱調理が基本)
代表的な魚
イワシ・カツオ・サバなど(不明な部分が多い)
その他の寄生虫
ここまでにご紹介した6種類以外にも人体には無害な寄生虫が存在します。無害ではありますが、決して気持ちのいいものではありませんよね。代表的な寄生虫を特徴も合あわせて幾つかご紹介します。
- ブリ糸状虫(橙赤色・約50㎝)
- ニベリア(黒褐色・約1から2㎝)
- テンタクラリア(茶色や黒・約1から50mm)
- ペンネラ(乳白色・約5mm)
- ラジノリンクス(乳白色・米粒程度)
調理する際のポイント
まず、調理する前の処理の段階で、内臓は早めに取り除きましょう。これは、寄生虫が内臓にいることが多く、筋肉へ移動するのを防ぐためです。また、肉眼で確認できる種類も多いので内臓付近の筋肉などは良く確認してから調理しましょう。基本的には加熱調理をすれば良いようです。
調理後の処理も大切
忘れがちですが、目に見えにくい種類の寄生虫もいます。加熱調理したとしても、調理の際に使用した調理器具なども十分に洗浄しましょう。熱湯による消毒も効果的です。もちろん、手洗いなども忘れずにおこないましょう。
お店で売っている魚は何故安心か
お店で売っている魚は、なぜ安全なのでしょうか。基本的には、ガイドラインにそって、死滅するだけの冷凍処理をしているようです。また、企業によっても違いますが、肉眼やセンサーでの確認も行ているようです。無害な種類でも、寄生虫が残っているとクレームの対象になってしまうようです。
安心して釣った魚を楽しみましょう
魚の寄生虫について、そ症状や対処方法について、ご紹介しきましたが、きちんと対処すれば決して、どうにもならないほど怖いものではない事が、ご理解頂けたでしょうか?是非、今回の情報を踏まえて安心して魚料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
詳しい対処方法に関しては、国や自治体が出しているガイドラインを確認しましょう
魚や釣りが大好きです。みなさんのお役に立てる記事が書ければ最高です。
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