マハゼ釣りの種類は数多くあります。浮子釣り、脈釣り、投げ釣り、疑似餌(ルアー)釣りなどです。いろいろな釣り方ができる魚もたくさんいますが、身近で始められるマハゼ釣りは小さなお子老若男女を問わず楽しみながら始められる釣りです。マハゼ釣りの浮き釣り、脈釣りのコツを中心にご紹介します。
釣った魚は自分で料理して振る舞うをモットーに関西で休日を中心に釣りをしています。釣果と腕はともかく釣り歴は長いです₍^^;。
マハゼ釣りをマスターして釣りの楽しみを味わおう!
別の記事「秋の小物釣りの定番のマハゼ釣り」で、マハゼにについてと釣り方の種類をご紹介しました。この記事では、浮き釣り・脈釣りを中心にのマハゼの釣り方を詳しく見ていきます。
入門のマハゼ釣り
マハゼは、6~7月のデキハゼ(新子)、真夏の夏ハゼ、秋の彼岸ハゼ、晩秋から初冬の落ちハゼ、冬のケタハゼ、フルセと、私たち釣り人はマハゼのサイズによって呼び名を変えています。このデキハゼ、夏ハゼ、彼岸ハゼくらいまでが、手軽に始められるハゼ釣りのターゲットです。
都市部の河口辺りは河川敷の整備や護岸整備がされており、足場も良く安全に釣りができる場所です。こういう場所から行うマハゼ釣りは延べ竿を使った浮子釣り、脈釣りが中心で、状況によってチョイ投げで引き釣りをします。
マハゼの浮子釣り
初めてハゼ釣りをするなら、浮き釣りでの入門をお勧めします。アタリが浮きで見られますので合わせのタイミングが取りやすいでしょう。満潮時に護岸の端で水深が50センチメートルくらいまで水が上がってくるような場所で始めます。
浮き釣りの道具
延べ竿を使った浮き釣りなので道具立ては簡単です。竿に道糸を結び浮子、オモリ、針をつけます。エサをつけてポイントとなる場所に仕掛けを入れるだけです。
竿
ポイントが近いとき、浅い時は2.4~3.6メートル、ポイントが遠い、足場が高い時は4~5.4メートルの振り出し竿(カーボン中硬、グラス硬調)の渓流竿が脈釣りにも併用できます。ヘラ竿は胴調子なので脈釣りにはあまりお勧めできません。もし購入するなら長めのものを購入する方が1本でよいですから経済的です。
仕掛け
仕掛けはリールを使いませんので道糸を含め全長が竿の長さを最長とし、10センチメートルくらい短くすることを標準としましょう。竿先がたわみますから、仕掛けを持ち上げたときオモリが手元に来るくらいが理想です。
仕掛けA(基本)
- 道糸:0.8~1号(全長:竿の長さ)
- 浮子:棒浮子小または唐辛子浮子小+しもり浮子小3つ(5センチメートル間隔)
- オモリ:板オモリ(浮子のトップが出るくらい)
- ハリス止め:自動ハリス止め小、ハリスの交換がはやい
- ハリス:0.6~0.8号 8~15センチメートル
- 針:袖針4~6号
仕掛けB(応用)
- 道糸:0.8~1号(全長:竿の長さ)
- 浮子:しもり浮子中、小4つ(5センチメートル間隔)
- オモリ:ナツメ型中通しオモリ1~2号
- 浮き止めゴム:オモリの遊動間隔20センチメートル上下を止める
- ハリス止め:自動ハリス止め小、ハリスの交換がはやい
- ハリス:0.6~0.8号 8~15センチメートル
- 針:袖針4~6号
仕掛けはA(基本)、B(応用)の2種類をご紹介しています。Aの仕掛けはオモリが底をギリギリでエサが海底を引きずられるように浮子下をセットします。一番上のアタリ浮子の浮き沈みがあたりです。
Bの仕掛けではオモリの重さが浮子の浮力を上回っています。オモリは着底しておりしもり浮子は水深によって水面に見える個数が変わります。仕掛けが20センチメートルほど遊動になっていますのでマハゼがエサに食いつくとしもり浮子に変化が出ます。
マハゼ浮き釣りのエサ
エサの種類、エサのつけ方に関して、釣り方による差はありません。ハリにつけるエサは、ゴカイか青イソメ、またはキジ(ミミズ)をカットして使います。カットする長さは狙うマハゼの大きさにあわせ、頭はカットする方が針に刺すのが簡単です。クーラーボックスの中に保管し新鮮さを保ちながら、カットしたものはエサ箱に小出しにして使いましょう。
- デキハゼ:針の長さ+1センチメートル以内にカットし通し刺し ハゼが大きくなるとエサも大きくする
- 彼岸ハゼ:袖5号 ハリの長さ+2センチメートル
- 落ちハゼ:袖6,7号 ハリの長さ+3,4センチメートル 尾の端は切る
エサつけのポイント
釣れるハゼの大きさに合わせてハリスのエサの長さ、針の大きさを変えると釣果が変わります。デキハゼ(新子)釣りの場合は頭をつけておくと同じエサで何匹も釣れることも知られています。脈釣の場合オモリの上から出すエダスの長さをオモリの下くらいまでの長さに短くするとあたりが取りやすくなります。
浮き釣りの釣り方
仕掛けのところでも説明しましたが、浮き下の長さはエサを底で引きずるようにセットします。釣りの途中でも浮子下の長さの微調整が大切です。
岩、くいなどの障害物の周りなど変化のあるところをめがけ、沖に目いっぱいに降りこみ、少しずつ手前に仕掛けを動かし誘います。アタリがないときは数メートルずつ左右に移動して新しいポイントを探り歩くのが釣果を伸ばすコツです。
唐辛子浮子や棒浮きのトップが少しだけ出るくらいにオモリを合わせますから、オモリが底にあたるときの浮きの変化と、ハゼのあたりを見分けることがポイントです。ハゼのアタリはエサをくわえるときにチョンチョンと浮子が動きます。そして浮子がスッーを水中に引き込まれますから、竿を手首で持ち上げるようにきき合わせます(チョンチョンスッーと覚えましょう)。
オモリが底につき、仕掛けが動かないようなときはハゼがその場で居食いしていることがありますから竿を軽く持ち上げきいてみましょう。針を飲み込まれている場合は、キスと同じように親指と人差し指でハゼのエラブタの中をつかむように抑えると口をあけますから、まっすぐにハリスを引くと抜けます。
マハゼの脈釣り
あたりを取るコツがつかめると釣果が最も望める釣り方です。浮き釣りの次は脈釣りに挑戦してみましょう。ブッコミ釣りのように中通しのオモリを使う仕掛けもありますが、おすすめはナス型オモリを使った仕掛けです。
効率よくポイントを探り、アタリを素早くあわせ、マハゼを釣り上げていくには脈釣りが適しています。しかし、慣れなければ空針を引いたり、合わせが遅いと針を飲み込まれてしまう釣り方で、アタリの取り方の練習には最適な釣りです。他の魚の釣りにも生かせる釣り方です。
脈釣り道具
脈釣りの道具立ては浮子釣りの道具立てのBの浮子を外したものでも行えます。さらに釣果を上げるための仕掛けをご紹介します。
竿
理想でいえば感度が良くあたりがわかりやすいのは竹竿ですが、最近ではまず手に入らなくなりました。浮き釣りの竿でご紹介した竿を兼用するとよいでしょう。
仕掛け
浮き釣り仕掛けのBを兼用するときは、遊動オモリにしている浮き止めゴムをオモリの上下に移動させ、オモリを固定してください。ここでご紹介する仕掛けは、できればマハゼがはりを飲み込む前に口に掛ける釣りをマスターするための仕掛けです。
- 道糸:0.8~1号(全長:竿の長さ-10センチメートル)
- スナップ付きサルカン:オモリをつけるためにスナップ付きサルカンを使います。
- ナス型オモリ:ナス型オモリ0.5~1.5号
- ハリス:0.6号~0.8号3~15センチメートル
- 針:袖針4~6号
ハリスの止め方は2通りあります。スナップサルカンの上部サルカン部分にハリスを結ぶ方法と、ハリスの先をチチワにして、スナップサルカンの上の道糸につける方法です。釣場でハリスを交換するのに楽な方をしてください。
ハリスは短い方がアタリはとりやすく、長いとしっかりと食わせやすくなります。アタリを取ってハゼをかけるにはエサがギリギリ海底につくくらいの長さのハリスにします。
脈釣りの釣り方
現在、竹製の竿は手に入りにくくなりましたが、感度の面では竹竿が最も優れていると言えます。ハゼの脈釣では手元にあたりがきてあわせたのでは遅すぎることが多く、釣れても針を飲まれています。かすかなアタリを穂先でとるためのコツをご紹介します。
仕掛けを沖目に振り込んだ後、竿で道糸を張ります。この時オモリが底を離れるというギリギリの竿先の曲がり方を覚え、そこから少し竿を下げ、張りを緩めます。オモリの状態でいえばナス型オモリがたっている状態から底を離れるギリギリの状態で、少し張りを緩めた状態というのはこのナス型オモリが底に横になりかけた状態です。この状態で、竿先がジワーと抑え込むような動きがあれば、これがもたれといわれるあたりです。手首を軽く返すような優しいあわせをいれます。
5秒程度経過してもあたりがないようなら、仕掛けを20センチメートルくらい手前に移動します。この時、オモリが底を離れず、底を引きずるようにするのがポイントです。この移動がハゼへのアピール、誘いになります。
手前に仕掛けを移動させながら探っていきます。アタリがあれば、ハゼは同じような場所にいることが多いので、アタリが出た場所を重点的に探ります。手前まで探ってもあたりがなければ投入場所を変えながら同じ要領で探ります。
1カ所で探れる範囲を終えたら、釣場所を移動していきます。仕掛けのポイントでもご紹介しましたが、モタレのアタリがとれず針を飲み込まれることが多い場合は、ハリスの長さを短くするとあたりが取りやすくなります。
最初から釣ることを目標とせず、釣れることを第1とする方が初心者の方には良いでしょうからハリスを10~15センチメートルほど取り、しっかり食わせておき、少し竿を上げてきいてみるという釣り方から始めてください。
その他のマハゼの釣り方
河口や護岸から夏ハゼや彼岸ハゼを狙っているとき、潮が引きポイントが延べ竿では届かなくなったり、秋が深まり落ちハゼが深場に移動してしまった時の釣り方は、投げ釣りか船やボートを使った船釣りです。仕掛けと釣り方を簡単にご紹介します。
マハゼの投げ釣り(チョイ投げ)
河口の中央部あたりや、岸辺の水深10メートルから15メートルくらいの浅場に投げ込む釣りです。ライトタックルで十分楽しめます。
道具
本格的な遠投する投げ釣りではなくチョイ投げで探る投げ釣りですから道具だてもキスやベラなどを狙う、小型のタックルでよいでしょう。
- 竿:2~3メートル オモリ10号程度の負荷の投げ竿。
4メートル前後の磯竿3号程度でも可 - リール:小型~中型スピニングリール2~3号。
道糸2号~3号を150メートル巻いてあれば可
仕掛け
市販のハゼ用仕掛けでも可ですが、ハリスの長さが長すぎないようにします。市販物は砂ズリが付けられていますが自作する場合砂ズリを編むのが面倒であれば太めの幹糸を使います。
- テンビン:キス用片テンビン ステンレスの方テンビン、中通し式のパイプテンビンでも可
- オモリ:5号~10号
- 幹糸:1~1.5号
- ハリス:1号 幹糸40から50センチメートル取ります。
下針から20センチに枝針ハリス5センチだすこともあります。
エサ
チョイ投げの場合は石ゴカイが使えます。遠投が必要なポイントの場合は青イソメが投げるときに身切れしにくいエサです。一般には石ゴカイの方が食いが良いとされます。置き竿にして居食いを待つ方法と、少しずつ仕掛けを動かし誘う引き釣りがあります。
向こう合わせで針掛かりするので、アタリがあったら、一呼吸だけ待ってからリーリング(回収)することで釣り上げます。
マハゼの船釣り
秋からの成長したマハゼを釣りには何といっても船釣りが有利なのですが、乗合船でハゼ釣りができる場所というのは限られます。江戸前の歴史をつなぐ東京湾近辺ということになるでしょう。その他の場所では、自前のボート釣りということになりそうです。
関西ではカレイや落ちギスを狙う船の外道で釣るくらいで、ハゼ専門に狙う船は残念ながら内容です。狙いは、水深3メートル以上のところにいる落ちハゼや8~15メートルのケタハゼです。
船釣りの道具
ハゼ釣りの道具はハゼ用三徳という専門の釣り道具がありますが全国どこでも売っているわけではありません。キスなどの船からの小物釣りの道具を転用して使いましょう。
- 竿:1.8~2.1メートルの小物用竿
- リール:小型スピニング、またはベイトリール 道糸2~3号
船釣りの仕掛け
船釣りでは道糸に先糸(リーダー)を結びテンビン仕掛けをつけます。
- 先糸(リーダー):1.5号程度を最低1メートルつける。
- テンビン:キス天秤などの片袖テンビン(15センチメートル程度)、パイプテンビンでも可
- ハリス:0.6~1号を60センチメートル
- エダス:0.6~1号を6~10センチメートルをハリスの中央あたりにつける
- 針:赤袖5~8号、流線でも可
船釣りのエサ
エサは石ゴカイのみ、不安であれば、サブとして青イソメを持っていきましょう。食いの良いときは半分に切って通し刺しにし、食いの悪いときは5~6センチメートルくらいの小型のゴカイを1尾かけします。
船釣りの釣り方
竿直下で釣る場合は、仕掛けが底についたら、わずかに底を切るくらいゆっくりと仕掛けを上下に動かしアタリをききます。広く探る場合は下手投げで少し船から離れたところに仕掛けを投げ入れ、少しずつ引きながらアタリを待ちます。
針に掛けるための合わせを入れるより、食わせることを優先した方が確実です。水深がありハリスも長めなのでしっかり食わせて効き合わせをしましょう。
マハゼ釣りをマスターして釣りを楽しもう
釣りの入門として最適なマハゼ釣りを、浮き釣り、脈釣りを中心にご紹介しました。マハゼはいろいろな釣り方が楽しめる釣りですし、釣ったマハゼもおいしい魚です。マハゼ釣りに挑戦していただいて、マハゼ釣りを通していろいろな釣りの楽しさを感じてもらえれば幸いです。
釣った魚は自分で料理して振る舞うをモットーに関西で休日を中心に釣りをしています。釣果と腕はともかく釣り歴は長いです₍^^;。
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